灯台、崖、舟と壁

光源が靄の中で冷たく静かに息を引き取る気がする

オレンジや白や緑や燃えるような赤や

燃え尽きたような真っ白だったはずの灯台の火が


雨戸を降ろして鍵を締切った部屋のように

全ての電源を引っこ抜いた部屋のように

テレパシーも電波も届かない棺を作り上げている

舟の中で後方から迫る動き続ける壁に怯えている

俺も君も同じはずだが君と腐乱死体は気にも止めない

もしも、丘の上に、たどり着き

時々幸せに思ったり、時々夢を見れるなら

俺も腐乱死体になるべきだろうか。

蜃気楼と笑う水平線

鏡の国のアルビオン

ハンモックで見た夢は揺りかごのデジャブ

淀んでいる既視感

押し寄せる壁が淵を突き抜けて宙に産まれる瞬間に

夏は終わる

俺も腐った匂いのする卵になる。

0コメント

  • 1000 / 1000

ながさわらむの酔いどれ天使になる前に

メモ帳