夜の星

日が沈み 長い影が

辺りを飲み干してしまう

よそ見はするな 目の前のドアから

目を逸らすな 目の前のドアから

石造りのこの街には路上で倒れる奴が多い

空き缶1つでその日を左右するような奴ら

ピストルひとつで抜け出せるはずだ

食うために人を襲った 腹を空かした妹のためだ

真っ暗に包まれた俺は奴を許さない

俺もピストルをこの手から離さない

必ず見つけ出しどこにいても殺す

許しはしないどこにいても殺す

皮を剥いて リアルの顔に

真実を見逃さないで

くらい闇に ひそむムシケラ

深い闇に 食われてしまう

ネオン煌めくこの街には少し多すぎる

1ドルが足りなくて倒れてしまう場合ばかり

場末のバス停 モグリの医者が針を見る

この街の汚れを落とす雨はいつ降るんだ

水栓便所みたいに栓を抜いて回っていつ流れる

この街に降る雨は血と精液と小便

クスリと暴力と擦り切れた日常

昼の闇が夜の闇にまた溶けて増える

揺れた街だ誰が変えるんだ今だ叫べ

''We are the people!!''

空き瓶のそばでネズミが

美しく ピアノを弾いて

潰された 子ネズミを見てた

血塗れの 子ネズミを見てた

ネズミの名前はフロスト

45歳の会社員だ 毎日満員電車で出掛けて行く

行方はビルの中で 薄い明かりと向き合うやつ

かわいい嫁と 3人の娘 金はないが幸せ

若い頃はジャズとしゃがれ声でバーで歌ってた

恋に落ちて歌は捨てて今は生きてる

妻がプレゼントに大きなピアノを送った

あなたの歌が好きだったのと 涙がこぼれた

俺は君のために歌をひとつ作った

家族の死骸の横で1度だけ歌った

 

歌声は憂鬱の中に

歌声は快楽の中に

言葉は 古の中に

言葉は 存在の中に

目を背け生きていくのか

正しいものが正しく動いていない世界を

今日のショーで見せたのは反逆者の生き様だ

革命家の生き様だ不合理の生き様だ

生き抜くためなら人を喰らえ

正義を貫いて街を洗い流せ

悲しく染まる歌を聞いて気づけ

これはすべて今朝の俺のトリップの話だ

知覚を開きリアルを見るのは君の話だ