薄明の子らが永久の砂浜の果てから足跡を地球に残さぬように歩く
名を取り戻せぬ楽器達は粒の間から沸き立ち星になる
密室で5つのコップと5人の手が寄り添う
音の壁の中にコップを5つ置くと満席になるテーブルがあり
換気扇の閉じられた逃げ場のない空間で酒を飲む
不意に、避難所の造られていない避難所の中で厚手のコートにナイフを全員が隠し持っている事に同時に気がつく
シンクロニシティには発展しなかった疎らな溜め息が、早朝に同時に囀る小鳥達よりも息を合わせて喉を下る生唾に変わる
0.5倍速で演奏されていたジミ・ヘンドリックスのmachine gunが思いつく限りのすべての暗闇を持ってアバラの隙間に光速で下降していく
弱き者はナイフに怯え、助けを求め幸福時代の腕枕に縋る
「頑な」を持つ者はナイフを捨て、俯瞰で3次元の亡霊となる
失明した者は、嘘をしたためテーブルから離れる
愚者はナイフを使い、刺せば破裂する己の弧を描く
心臓の隅で永遠から瞬間までの3連符が脈打つと
心の中に牢獄を開き
頭の中にシャングリラを作り出す
蝶達が遊び、花が話を聞くような
密葬の外の自由については思考する事が出来なくなる
薄明の子らは
まつ毛とまつ毛が抱き合う瞬間と永遠の後に意識を奪還する
コップは4つに減る
そして、ようやく、ナイフが幻影だったと気づくのだ
そして、絶望
薄命な薄明
終わり
This is the end
Beautiful friend
The end....
ながさわらむの酔いどれ天使になる前に
メモ帳
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